チームサンタジーとは、「本物のサンタクロースを神戸の街に呼びたい!」というボランティア団体です。
サンタさんが私たちの街にやってきたきっかけ
被災地に夢と希望を与えてくれるサンタクロースを、関西にも招きたい

2017年、サンタクロースは東日本大震災の被災地に訪れました。サンタクロースに会った人は、その幻想的な存在を目の当たりに、夢や希望をプレゼントとして受け取ります。
「生きていればこんなにステキなことがある」
そう思えることが、今を生き抜く力になるのです。
1995年、阪神淡路大震災という大きな災害に見舞われた関西。復興が進んでいる今だからこそ、さらに夢と希望を!そう望み、わざわざフィンランドまで足を運び、「関西に来てほしい」とお願いしてくださった方がいらっしゃいます。
その方が「サンタさんが私の街にやってくる」実行委員会の後藤芳博(よしひろ)さんです。その時のことを、後藤さんご自身が綴ってくださいました。
サンタクロースに会いに、東京へ行ったことがはじまりです
今年12月にフィンランドからサンタクロースを招くことに決定いたしました。
その経緯から申し上げますと、2017年サンタクロースが本場フィンランドから11月22日20時頃、東京銀座7丁目辺りに現れると知人からの確かな情報を得まして、「会ってみたいなぁ」と思い、神戸から二泊予定の荷物を用意して東京に向かいました。
情報通りにサンタクロースは現れました。
「あぁ……サンタクロース♪ホンマもんやなぁ」が、私の第一印象でした。
サンタクロース、年齢は300歳……
話しぶりや表情から、「いい男だな!」と、思いました。
2人の男に「一目惚れ」
「後藤さん!」と、言う声掛けに二人が反応しました。お互いが「エッ?」と、顔を見合わせ、どちらからともなく近寄り自己紹介を始めました。
同年齢、同姓の後藤基(モトシ)さんと、後藤芳博(ヨシヒロ)との出会いです。後藤基さんは、2017年にサンタクロースを東京に招いた人でした。
私たちはすぐに意気投合しました。
後日、「一瞬で、この人とは何故か馬が合う気がする……」と、お互いが思ったことを語り合いました。
私は、付き合いで大事なことは、年数ではないと日頃から思っています。長い付き合いだから……と、気を許せる人ばかりではありません。
「一目惚れ……」というのは、一瞬の出会いで心ときめくものです。
私は、サンタクロースにも、後藤基さんにも「一目惚れ」したのです。
「神戸に必ず呼ぶぞ!」という強い思いを抱きました
来日後、九州地区と東京地区とを約10日間かけて回り、多くの子どもたちに会いに行ったとのことでした。
さらに、東日本大震災の被災地にも訪問しているとの話でした。
そのとき私は「神戸にも来てほしい!神戸を元気にしてほしいなぁ」と、素直に思いました。
東京から戻って時が過ぎると、また会いたい…初めて彼と会った時のワクワク感を神戸の人にも味わってほしいという気持ちがふつふつと沸いてきました。
そしてその気持ちが少しずつ「神戸に必ず呼ぶぞ!」という決心に変わりました。
サンタクロースを招くためだけにフィンランドへ
今年に入り、その気持ちを後藤基さんに電話で伝えると「春ごろにフィンランドに行くが、そんな熱い想いがあるなら一緒に行くか?」と、誘っていただきました。
聞くところによると、口約束だけでは日本に行く約束はできないということでした。
フィンランドのサンタクロースの事務所に行き正式に手続きを踏み、調印をしなければなりません。
私の心は決まっていたので「ぜひ行きたい!」と返事をしました。
「それだけで行く?」と、そう言った人もいましたが……
「それ以外何があるんだ。それで十分ではないか!そのために行くんだよ」と答えて、私は行きました。
ひと山向こうに好きな人がいるなら会いに行く。
会いたいから行くのに理由なんて要らない。
そんな恋心と同じような気持ちを、私は抱いていたのです。
私がサンタクロースを呼びたい理由

「何でそれほどまでしてサンタクロースを神戸に呼びたい?」と、人は私に問いました。それは、この神戸という土地が、1995年に阪神淡路大震災で大きな被害を受けた場所だからです。
そのとき芦屋市津知町にいた妻の祖母が崩れた家の下敷きになり、当時の伊藤病院に運ばれたのだが悲しいことに光の国に旅立ちました。
神戸市兵庫区に住んでいた私の伯父が崩れた自宅の下敷きになり亡くなりました。
また、大阪に住まいしていた一人の社員は結婚して宝塚市に住むため新築マンションを購入しましたが、その物件は二人が住まいする前に地震に耐えきれずに崩れ落ちました。
幸い、その二人は大阪に住んでいたので無事でした。さらに、神戸市長田区に住まいしていた社員も二人帰らぬ人となりました。
私自身、家族含めて大怪我にならずに済みましたが、東日本大震災の被災地にサンタクロースが……と、聞くと、阪神淡路大震災のエリアにも是非来てほしいと正直思いました。
サンタクロースは「神戸」を知りませんでした
フィンランドに行ってサンタクロース事務所に訪問した際、ぜひとも神戸にも来ていただきたいとお願いしました。
するとサンタクロースは、
「神戸? 神戸は何処なんだ? 何があるんだ?」
と、答えました。
残念ながら、神戸に対する認識はゼロに等しいほどでした。
しかし、1995年阪神淡路大震災の話をすると、思い出したように
「あぁ……覚えているよ」とおっしゃってくださいました。
神戸ルミナリエのストーリーも語りました
さらに私は神戸ルミナリエのストーリーも語りました。
「日本には訪問先も沢山あるでしょうが、今年の神戸ルミナリエの点灯式が12月7日なので、前日の12月6日から神戸に来ていただけないでしょうか……」
と、私なりの想いの丈を語りました。
そのとき彼は突然パソコンに向かって
「さっきは何て言った? コウベ……? ルミ……?」
と、尋ねてきました。
「神戸ルミナリエです!」
と答えますと、彼はパソコンを開いて神戸ルミナリエを眺めていました。
フィンランド滞在最後の日に「行きます」との返事が……
こうしてお話をした結果、予定を見直し検討して回答していただけるということになりました。
そして、フィンランドの滞在最後の日に、
「11月中旬から12月中旬まで日本に行きますので、神戸には12月6日に行き8日までの3日間滞在予定とします」
と、いう回答をいただくことができました!
フィンランド独立101年目に関西に訪れてくれることに
ロシア帝国からフィンランドが独立した日が12月6日、その日に神戸へ来てくれる。なんて粋なことを……と、思いました。
歴史上、大日本帝国とロシア帝国との日露戦争は終結し、その後1917年12月4日にフィンランドの独立宣言を発し、2日後にフィンランド議会の承認を受けました。
フィンランド独立101年目にしてフィンランドからのサンタクロースが神戸に来てくれます。
行って感じたことの一つに、フィンランドの人たちはとても親日家でした。
この出会いが、今後のヘルシンキと神戸市との友好関係につながれば……と、私は心から願ってやみません。